concept: ここちよい けのび展
蹴伸び Ke-nobi
脚を縮めて 少しもぐって 一気に壁を蹴って
すぅーっと身体を伸ばす 水を切る感覚がここちよい
今はまだビート板の浮力に助けられながら
平泳ぎやクロールには時間がかかるかもしれないけど
でも確実に前に進みはじめた
ケの美 Ke-no-bi
ハレは特別なものだけれど
朝日が昇って陽が落ちる 毎日の繰り返し
当たり前のことだけれど そんな日常が続くことも
きっと特別なもの 尊いもの
日々の暮らしの中の なんでもない時間の流れが
等身大でここちよい
ここちよいけのび展 への準備は前日から
自宅から運び込まれた大量の展示グッズで 少しずつ姿を現すギャラリー
そう、今回の結婚式は「結婚式であって結婚式でない」
誰もを不思議でここちよい気持ちにさせるウェディング
閉館時間ギリギリまで頑張って、ようやく形を表し始めた けのび展
明日へ胸を高鳴らせて、緊張と達成感の入り混じる後ろ姿がとても愛しい…
こうして迎えたウェディング当日
昨日おふたりと頑張ったギャラリーに加え、
沢山のスタッフも集まり、数えきれないこだわりと演出がセッティングされていきます
おふたりとのスタートはこの想いを叶えられる会場探しから…でした
設計士のご新婦様と イベント経験豊富なご新郎様
ふたりにゆかりのある京都で、そして文化財や美術館等
建物としても人々を魅了して、自由なウェディングの叶う場所に…
おふたりと私、3人であらゆる場所を探したのですが、
全てがピンとくる場所に巡り会えず
そんな時に「京都ではないけれど…」とご提案させていただいた綿業会館
実は後に、新郎家のおじい様・おばあ様おふたりにとっても縁の深い場所だったと
素敵なエピソードが分かったのです*
こうして出来上がった おふたりのウェディングステージ
真っ白の中に整然と並ぶ豊かな緑
いい意味でみんなとリラックスしてサラリと過ごせる場所に…と希望された通り
ケの美をイメージした空間になりました
ご用意したペーパーアイテムも全て一緒にデザインを考え、紙も悩んで
おふたりと創り上げたもの
「けのび展」への招待状や、
ギャラリーパンフレットをイメージした冊子
一人ひとりにそれぞれのペースで楽しんでいただけるように…とご用意したゲストブックまで
ゲストへの演出はウェルカムシアターからスタートしました
会場の一室をシアタールームにしてご覧いただくウェルカムムービー
「けのび展」への招待状を受け取ったゲストが、
今日のウェディングへ、何が起こるのかさらにワクワクする瞬間
おふたりと最初に決めたことの1つが、
挙式は家族への想いを伝える、家族へ向けたものに
披露宴は全員へフラットに、重くならずここちよく過ごしてもらえるものに
…ということでした。
だからこそ、挙式の前にはご両親とのかけがえのない時間を…
そして、挙式の中ではおふたりからそれぞれご両親への普段口にすることのできない想いを伝えることに
そしてもう一つ
文化財で結婚式をするからには、ゲストの皆様にもこの空間も楽しんでほしいということ
綿業会館の建物を楽しんでいただけるように、見学ツアーもご用意しました*
そしてその間におふたりは先回りをして、披露宴会場の前で皆様をお迎え…
エレベーターが空いた瞬間の「え~っ!」という皆様の反応におふたりも思わず笑顔に
こうして自然と始まってゆくウェディングパーティー
それはまるで日常の延長線上にある「ケの美」そのものの時間
後半にご用意したのが、展示スペース「ここちよい けのび展」での、一緒に過ごすお時間
結婚式で自分たちのこと、仲間のこと、
伝えたい想いを伝える方法は様々あると思います。
今までもご友人の結婚式で何本もムービーを作ってきた…そうおっしゃるご新郎様
でもおふたりが選んだ方法は、ムービーでもスピーチでもなく、
それぞれが自由に回遊して見れる「ギャラリー」というスタイルでした
決められた時間の過ごし方ではなく、それぞれが自由に
心の赴くままに ここちよい時間を過ごしてほしい
そんな思いで選んだこの方法
実はこの中でもおふたりの異なるコミュニティの皆さんが言葉を交わしたり、共に笑いあったり、
想像していなかったとても嬉しい光景がありました
そして1つだけ、みんなで一緒に創り上げたかったもの
可愛いお子様が届けてくれたプレゼントは、
実はゲストの皆様にそれまでに作っていていただいた作品でした
小さな紙に書いて頂いた似顔絵とサイン
そして、またまた小さなパンチで頑張って開けていただいた穴
それを1枚ずつつなぎ合わせると…
そう、実はこちらがパーティーの結びとなるエンドロール
小さなオルゴールを回すと聞こえてくるのは、思い出の1曲
不揃いな音だけど、それが温かくて、ここちよくて、
全員がここに集まってくれた意味を成すもの
きょうの「ここちよい けのび展」を通じて、
新郎新婦それぞれと一人ひとりの繋がりが、
ふたりとそれぞれの繋がりになり、
また、新たなゲスト同士の繋がりにも広がった
そうおふたりは最後のご挨拶で仰っていましたが、
それが私たちが思う、一番の「結婚式をする意味」
誰も経験したことの無い事だからこそ、
ここまでのご準備も本当に大変なことがいっぱいだったと思います
それでも3人4脚で一歩ずつ進んできた今日まで
おふたりの晴れ晴れとした達成感いっぱいの表情を見て、
言葉に表せないくらい嬉しい気持ちに私もなりました
挙式後の打ち上げでは、サプライズでご自宅のホームパーティーに招いてくださったおふたり
このギャラリーにも展示されていた、新婦様が設計され、
ひとつずつにこだわり、仲間の力を借りて完成したご新居
そこで結婚式の思い出話に花を咲かせる時間は、私にはこれ以上ないご褒美でした*
いつもクリエイティブで、アイデアにあふれていて、
それを仲間と共に楽しんでいるおふたり
おふたりの人生最大の作品ともいえる結婚式をご一緒できて、
本当に幸せでした*
これからもずっと「蹴伸び」と「ケの美」を大切に、
おふたりらしいご夫婦像を築いていってくださいね
Produced by Hiromi Hyogo / 兵庫 裕美